先週の金曜日に日本をたって帰国したウチノサムライ。
フランス経由は初めてなので、ちょっとドキドキだったみたいだけど、結局、慣れるのも早く、空港での長い待ち時間もスマホの翻訳アプリを駆使しながら、ウロウロを楽しんだ様子。
帰宅後は、昔と違って、どんどんビデオ通話がかかってくる。
「あづい」
サムライの後方に青空と洗濯物が見えてる。
「あづいよー」
こちらは雪が止まず寒いけれど、洗濯物パタパタの時の顔に当たる風の匂いとか、道を歩いてて知り合いに呼び止められる大音量の音楽みたいな声とか、そういう色々しまってある記憶が起きてきそう。
サムライがこちらにいるときにかかってくる大音量のやつらの声はうるさくて嫌いだけど、
向こうにいるときは、それは、なぜか、ごもごもくぐもった音楽みたいに聞こえるんだよね。
旅行してて、そこで食べたら美味しいのに、持って帰るとまずい。
その食べ物は、そこで食べるべき、みたいな、決まりがあると私は思う。
騒音もきっと同じ。
それにしても、ビデオ通話はやはりよくない。
メール来てるかなとか、どうしてるかな、と思って頬杖をつく。
そういう情緒ある帰国はもう、ないんです。