EL COCODRILO CLUB

雲外蒼天 イツニナッタラハレルヤ キューバとかサルサとかウチノサムライとか

手作りマスク妄想が止まらない!

手作りマスク妄想が止まらない。

うまこは手先が器用な心優しい女の子。最近はマスクが手に入りづらいので、弟たちに恐竜柄のマスクを作ってやったり、クラスの女子に頼まれた水玉マスクも苦にせず楽しく手作りしている。

そんなうまこのひそかな望みは、キスマイ系イケメン男子のイケオくんにも手作りマスクを作ってあげること。

うまこ、俺にも一つ作ってよ。

イケオくんからそんなオーダーがくるといいのにな、と思うだけでときめく毎日だった。

そんなある日。(このフレーズは必ず入れなければならない)

そんなある日、

親友へたみがつるつるの頬を桜色に染めながら、うまこに手作りマスクを作ってほしいと言い出した。

「表は普通でいいの。でも、裏にあたしのイニシャルとハートマークの刺繍!きゃあ。」

へたみは、子供の頃からのうまこの大親友、仲良く姉妹のように育った二人だ。

 「イケオくんにプレゼントしたいのだけど、あたし、不器用でしょ?あたしの作ったのじゃ使ってもらえないもん。うまこ!一生のお願い!」

 大親友へたみのお願いを断れる訳もなく、もちろんいいよ、とにっこり答えながら、がーん!なんと!へたみと好きな男子が同じとは!

へたみは、明るく元気であっけらかん、才色兼備で男子からも女子からも好かれている人気者だ。うまこがかなうわけもない。

へたみへの友情とイケオくんへの熱い恋心に挟まれて、針を持つ手も止まりがち。

(ここでハラハラと桜が散る映像)

うまこの心はまるで雑巾を力一杯絞った時のようにギュウギュウと切ないのだった。

 続く。