EL COCODRILO CLUB

雲外蒼天 イツニナッタラハレルヤ キューバとかサルサとかウチノサムライとか

たまにテレビ

その番組はアメリカの町を紹介するというシリーズもの。
今回はマイアミ。サブタイトルがマイアミのキューバ人。
期待はしないけどみておくか、ってことでみてみた。

30分番組だから大急ぎで話がすすんでいくわけ。
水着美女戯れる南国のビーチ。
リニュアルされたパステルカラーのかわいらしい町並み。
マイアミで成功を収めたキューバ人のインタヴュー。
キューバ革命で粛清されそうになった文化人や、財産没収されかけた富裕層の二世たちは、英語で話し自信たっぷり。革命のせいでハバナはすっかりすたれた街になってしまったんだそうだ。そしてお決まりのカストロ批判。
レストランの人気メニューはコングリと黒豆スープ。革命前のキューバのごちそうなんだそうだ。
キューバにはもはや希望はなく、マイアミはチャンスに溢れた希望の街なんだそうだ。
そういう方向で進んでいくのか、キューバはよくない国なんだと思わせたいのか、と思いきや、BGMにはソンの名曲がつらつらと流れていて、ちょいと葉巻の匂いをかがされたような親キューバ気分をそそるんだな。番組の内容とBGMがマッチしてないのがおもはゆい。
マイアミのキューバ人に興味ある視聴者なんて多くはないからこんなもんでってとこか。
ほんとはネホリハホリ小姑のようにこきおろしてやろうかと思ったんだけど、公共のネット上誹謗中傷と受け取る人もいるかもしれないので、こんなもんで。

親戚や知合いを頼ってマイアミに渡る現在の普通の人たちのその後の生活ぶりとか。
マイアミとハバナを行き来する専用の空港のお祭りさわぎの大混雑とか。
行ってしまった友達を思う若者の心の葛藤とか。
お里帰りのときには、家電やらパソコンやら服やら靴やらあらゆるものをどっさりおみやげに持って帰る人たちの逞しい顔とか。
マイアミに移住するミュージシャンと、こだわってキューバに残るミュージシャンとか。
(だって最近そういう歌がいろいろあるし)
マイアミとキューバ。飛行機で40分。札幌と釧路くらい。
距離も近く、心も近く、手続きをふむと政治がはさまってやたら遠い。
そういう番組をみたいなあ。
そういう番組ができたなら、きっとテレビの音ミュートにして勝手に自分でBGMつけると思う。

それにしても、あの40分の飛行機に乗りたいものだ。
そうしたら、キューバ滞在中にマイアミにも簡単に行けるのに。

おまけ
キューバの人は、マイアミと言わずに、ミアーミと言います。
LLORAND EN MIAMI は、じょらんどえんみあーみ。